私の住む地域には、42年前に始まった、家庭文庫というものがあり、
ボランティアで、自宅を家庭文庫として解放してくれている方がいます。
さらに、近隣の小学校の図書の授業に、おはなし会をしてくれます。
長男の同級生のお友達のおばあさまでもありましたので、
文庫の存在を知っては居ましたが、私は訪れた事は有りませんでした。
その主催をなさっている、
栗山規子さんのお母さん向け講演会が小学校でありました。
文庫に行くと、栗山さん達が「読み聞かせ」や「お話」をしてくれます。
もちろん、私も「読み聞かせ」はしていますが、
「お話」
というと、自分もちゃんと聞いた事が有りません。
講演会では、栗山さんがお母さん達に、
小学校低学年向け、中学年向け、高学年向けの3つの「お話」をしてくれました。
、、、カルチャーショックでした!!!
絵本も紙芝居も無く、語りだけでお話を聞くという事が、
あんなにワクワクドキドキするなんて!!!
絵が無いから自分で想像するし、話に集中。
そして、3つのお話に共通するテーマ「死」「殺す、殺される」というダークな物。
ちょっとドキッとしましたが、なぜそのテーマを選ばれかと言うと、
「むかしむかし、、」で始まる昔話の原作には、
勧善懲悪、ハッピーエンドのものが殆どですよね。
そこには、カチカチ山や、7匹の子やぎのような、
「そこまでしなくても、、、」
というくらい残酷な仕返し(?)があったりして、
最後には悪物が死んでしまうという話です。
最近の物は、書き変えられて、
悪者は逃げて行ったとか、心を入れ替えて反省したとか、
「死」が出てこない話になっていますよね。
でも、お話の世界だからこそ、悪い物は絶対に死んでしまうんだという、
象徴としての死が必要なんだそうです。
もしかしたら今は逃げて行ったけど、又戻ってくるかもしれない。。。
後でまた仕返しにくるかもしれない。。。
なんて心配せずに、子供はそこで安心感を得るのだそうです。
架空の世界でそう言うダークな部分を見る事で、
心の奥深くに、やっていい事、いけない事が落とし込まれると。
安心できる大好きな人の膝の上で、怖い話を聞くとか、
安心感の中で、ダークな事も受け止められるそうです。
最近は、可愛らしい、楽しい、明るい絵本が多く、
私もつい、そういったものを選んで読み聞かせたりしていますが、
たまに、ちょっとダークな昔話も読んであげようと思いました。
ただ、読んだ後には解説してはいけないそうです。
読みっぱなしで、子供が思った事を聞いてあげればそれでいいと。
という訳で、栗山さんオススメの2冊を図書館で借りてきて、
早速、「鹿よ俺の兄弟よ」から読んでみました。
鹿を狩って日々生活してる狩人が、共に生きる仲間でもある鹿を狩る。
そこには、大事な命を頂くという姿勢が現れていて、
とくに何かが起こる訳でもなく、淡々と人生が流れていきます。
娘の感想は、静かに聞いた後「鹿、かわいそう。」でした。
もう一冊は「なめとこ山の熊」
こちらはちょっと長めなので、何日かに分けてこれから読もうと思っています。
毎回こういうお話は、ちょっと重たい気もするので、
何日かに一冊は昔話の様な本を読もうと思いました。
心の底に何か貯まっている事を願って、、、、。